介護サービスの種類と選び方
介護サービスには、自宅で利用するもの、日帰りで通うもの、短期間泊まるもの、長期的に入所するものなど、さまざまな種類があります。
「訪問介護」「通所介護」「短期入所生活介護」「認知症対応型共同生活介護」——こうした名称だけでは、具体的にどんなサービスなのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
このページでは、主な介護サービスの種類を大きく4つに分類し、それぞれの特徴や向いている方の目安を整理します。
※ 実際にどのサービスを利用するかは、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)やお住まいの地域包括支援センターに相談しながら決めるのが基本です。このページはあくまでサービスの全体像を把握するための参考情報です。
まずは大きく4つに分けて理解する
介護保険で利用できるサービスは、利用の仕方によって大きく4つに分けられます。
1. 自宅で利用するサービス
ヘルパーや看護師が自宅に来てくれるサービス。住み慣れた家で生活を続けながら支援を受けられます。
2. 通って利用するサービス
日帰りで施設に通い、食事や入浴、リハビリなどを受けるサービス。日中の活動や社会交流の場にもなります。
3. 短期間泊まるサービス
数日〜数週間、施設に泊まるサービス。家族の休息(レスパイト)や退院後の一時利用などに活用されます。
4. 入所して利用するサービス
施設に長期間入所して、日常生活全般の介護を受けるサービス。自宅での生活が難しくなった場合の選択肢です。
主なサービス種別の説明
以下では、利用頻度の高いサービスや名称が分かりにくいサービスを中心に、具体的な内容を説明します。
自宅で利用するサービス
訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパー(訪問介護員)が自宅を訪問し、食事・入浴・排泄の介助や、掃除・洗濯・買い物などの生活援助を行います。
向いている方:自宅での生活を続けたいが、日常生活の一部に手助けが必要な方。一人暮らしや日中独居の高齢者にも多く利用されています。
※ 訪問看護との違い:訪問介護は生活援助・身体介護が中心。医療的なケア(点滴、褥瘡の処置など)が必要な場合は訪問看護が対応します。
自宅で利用するサービス
訪問看護
看護師や理学療法士などが自宅を訪問し、医師の指示に基づいて医療的なケアやリハビリを行います。体温・血圧の管理、服薬管理、褥瘡(床ずれ)の処置、ターミナルケアなどが含まれます。
向いている方:退院後の在宅療養が必要な方、医療的なケアを受けながら自宅で暮らしたい方。訪問介護と組み合わせて利用するケースが多くあります。
自宅で利用するサービス
居宅介護支援(ケアマネジメント)
ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプラン(介護サービス計画)を作成し、サービス事業者との連絡調整を行います。利用者の自己負担はありません。
向いている方:要介護認定を受けた方は基本的に全員が対象。介護サービスを利用するための最初の窓口となるサービスです。「どのサービスを使えばいいかわからない」という段階で、まず相談する先です。
自宅で利用するサービス
福祉用具貸与
車いす、介護用ベッド(特殊寝台)、歩行器、手すりなどの福祉用具をレンタルで利用できるサービスです。介護保険が適用されるため、原則1割(所得に応じて2〜3割)の負担で利用できます。
向いている方:自宅での移動や起き上がりに不安がある方。用具の導入で自立した生活を維持しやすくなるケースが多くあります。
※ 購入が対象のもの(腰掛便座、入浴補助用具など)は「特定福祉用具販売」として別枠で利用できます。
通って利用するサービス
通所介護(デイサービス)
日帰りで施設に通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けるサービスです。送迎付きで、朝出かけて夕方に帰宅するのが一般的です。
向いている方:自宅での閉じこもりや運動不足を防ぎたい方、日中に家族が不在で見守りが必要な方。社会交流の機会としても重要な役割を果たしています。
※ 通所リハビリテーション(デイケア)との違い:デイサービスは生活支援・社会交流が中心。リハビリを重点的に行いたい場合はデイケア(医師の指示に基づくリハビリ)が向いています。
短期間泊まるサービス
短期入所生活介護(ショートステイ)
特別養護老人ホームなどの施設に数日〜最大30日程度宿泊し、食事・入浴・排泄などの介護を受けるサービスです。
向いている方:介護をしている家族が旅行や冠婚葬祭で不在になるとき、家族の心身の休息(レスパイト)が必要なとき、退院後に在宅復帰までの準備期間が必要なとき。
※ 短期入所療養介護との違い:生活介護は特養などで行われ日常生活の支援が中心。療養介護は老健や病院で行われ、医療的なケアやリハビリも含みます。
入所して利用するサービス
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症の方が少人数(5〜9人程度)で共同生活をしながら、食事の準備や掃除などを職員のサポートのもとで行う施設です。家庭的な環境で、できることは自分で行うことを大切にしています。
向いている方:認知症の診断を受けており、少人数の落ち着いた環境での生活が合う方。地域密着型サービスのため、原則として施設がある市区町村に住民票がある方が対象です。
入所して利用するサービス
介護老人保健施設(老健)
病院での治療を終えた方が、在宅復帰を目指してリハビリテーションを受ける施設です。医師・看護師・理学療法士などが配置されており、医療ケアとリハビリの両方を受けられます。入所期間は原則3〜6か月が目安です。
向いている方:退院後すぐに自宅に戻るのが難しい方、リハビリで身体機能の回復を目指したい方。長期入所が前提の特養とは役割が異なります。
入所して利用するサービス
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(小規模特養)
定員29人以下の小規模な特別養護老人ホームです。名称が長く行政用語的ですが、内容は「小規模な特養」と理解してください。要介護3以上の方が対象で、食事・入浴・排泄など日常生活全般の介護を受けながら長期間暮らす施設です。
向いている方:要介護度が高く自宅での生活が難しい方で、少人数の環境を希望する方。地域密着型のため、原則として施設所在地の市区町村の住民が対象です。
※ 大規模な特別養護老人ホーム(広域型・定員30人以上)も同様のサービスを提供しますが、こちらは居住地の制限がありません。
入所して利用するサービス
介護医療院
長期的な医療ケアと日常生活の介護を同時に受けられる施設です。2018年に創設された比較的新しいサービスで、従来の介護療養型医療施設の転換先として位置づけられています。たんの吸引、経管栄養、インスリン注射など医療依存度の高い方にも対応できます。
向いている方:日常的に医療的ケアが必要で、病院での入院治療は不要だが特養では対応が難しい方。医療と介護の両方が必要な状態が長期間続く場合の受け皿です。
「入所系介護施設」とは?
入所系介護施設とは、入所や宿泊を伴う介護施設の総称です。特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、グループホーム、介護医療院、有料老人ホームなどが含まれます。
このサイトでは、入所系施設の供給状況を測る参考指標として「入所系施設カバー率」を掲載しています。これは、地域の要介護認定者数全体(在宅サービス利用者を含む)に対する入所系施設の定員割合を示したもので、地域の施設供給規模の目安です。
- カバー率は施設の定員をもとに算出しており、実際の空き状況や待機者数を直接示す指標ではありません。
- カバー率が高い地域でも満室の施設がありますし、低い地域でも空きのある施設はあります。
- 小規模自治体では施設数が少ないため、1施設の開設・閉鎖で数値が大きく変動することがあります。
地域の介護環境を大まかに把握するための参考として、カバー率ランキングもあわせてご覧ください。
迷ったときの見方
「どのサービスを探せばいいかわからない」というときは、まず以下の目安を参考にしてみてください。
自宅で暮らしながら支援を受けたい
訪問介護・訪問看護・福祉用具貸与など
日中だけ通って利用したい
通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション(デイケア)
家族の休息や一時利用をしたい
短期入所生活介護(ショートステイ)
認知症で少人数の環境が合いそう
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
退院後のリハビリ・在宅復帰を目指したい
介護老人保健施設(老健)
長期入所を前提に施設を探したい
特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどの入所型施設を比較
※ 上記はあくまで目安です。実際のサービス選びは、ご本人の状態や家族の状況、地域の施設の空き状況などを踏まえて、ケアマネジャーと相談しながら決めることをおすすめします。