介護施設が不足している地域ランキング|充足率が低い市区町村はどこ?【全国版】
「老人ホームに空きがない」「入所まで何年も待つ」——介護施設の不足は、多くの家族にとって切実な問題です。
この記事では、全国の市区町村を対象に、入所系介護施設の充足率が低い地域をランキング形式でご紹介します。充足率とは、要介護認定者数に対して入所できる施設の定員がどれくらいあるかを示す指標です。全国平均は約3.0%で、この数値が低いほど、介護需要に対して施設供給が追いついていない可能性を示しています。
ただし、充足率が低いことが「必ずしも悪い」とは限りません。在宅介護サービスが充実している地域や、近隣自治体の施設を利用できる地域もあります。あくまで介護需要と施設供給のバランスを見るための一つの参考指標としてご覧ください。
介護施設が不足している地域ランキング TOP10(充足率が低い市区町村)
※施設数10件以上の市区町村に限定し、データの安定性を確保しています。
| 順位 | 都道府県 | 市区町村 | 充足率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 京都府 | 京田辺市 | 0.9% |
| 2 | 宮城県 | 東松島市 | 0.9% |
| 3 | 愛知県 | 碧南市 | 0.9% |
| 4 | 島根県 | 大田市 | 0.9% |
| 5 | 愛知県 | 愛西市 | 0.9% |
| 6 | 福島県 | 須賀川市 | 0.9% |
| 7 | 兵庫県 | 三木市 | 1.0% |
| 8 | 大阪府 | 柏原市 | 1.0% |
| 9 | 兵庫県 | 尼崎市 | 1.0% |
| 10 | 東京都 | 福生市 | 1.0% |
全国平均の3.0%に対して、上位の地域はいずれも1.0%前後と、全国平均の3分の1以下の水準です。要介護認定者100人に対して、入所できる施設の定員が1人分にも満たない計算になります。
充足率が高い地域のランキングは充足率が高い地域の記事をご覧ください。データ一覧は充足率ランキングページで確認できます。
充足率が低い上位5地域の特徴と背景
1位 京都府 京田辺市(充足率 0.9%)
京都府南部に位置する人口約7万人のベッドタウンです。高齢者人口は約17,700人、要介護認定者は約9,800人。入所系施設は11件ありますが、定員データが確認できた施設の定員合計は88人にとどまります。大阪・京都の通勤圏として人口が増えた地域で、高齢化の進行に施設整備が追いついていない可能性が考えられます。
2位 宮城県 東松島市(充足率 0.9%)
仙台市の北東に位置する人口約4万人の市です。東日本大震災で大きな被害を受けた地域でもあります。入所系施設は11件ありますが、定員が確認できた施設のデータは限られています。復興途上で施設整備が進行中の可能性もあり、今後数値が改善する余地がある地域です。
3位 愛知県 碧南市(充足率 0.9%)
愛知県三河地方の市で、高齢者人口は約17,400人。グループホーム6件を含む15件の入所系施設がありますが、定員データの収集率が低いことが充足率を押し下げている可能性があります。実際の供給力は数値以上にある可能性もあり、注意が必要です。
4位 島根県 大田市(充足率 0.9%)
世界遺産・石見銀山を擁する人口約3万人の市です。入所系施設は23件と多いにもかかわらず充足率が低いのは、定員データの取得率が低いことが主因とみられます。認定率は69.8%と高く、介護需要そのものが大きい地域です。
5位 愛知県 愛西市(充足率 0.9%)
名古屋市の西に隣接する人口約6万人の市です。入所系施設は12件ありますが、定員合計は93人で、高齢者人口(約19,200人)に対して少ない水準です。名古屋市への通勤圏として宅地開発が進んだ地域で、高齢化に対する施設供給のタイムラグが生じている可能性があります。
充足率が低い地域に共通する傾向
1. 中規模以上の「市」が多い
充足率が高い地域には小規模町村が多かったのに対し、低い地域は人口数万人規模の「市」が中心です。人口が多い分だけ要介護認定者数も多くなり、充足率が低くなりやすい構造があります。
2. 大都市の近郊に位置する地域が多い
京田辺市(京都・大阪圏)、碧南市・愛西市(名古屋圏)、福生市(東京圏)など、大都市のベッドタウンが目立ちます。住宅開発で人口が増えた地域では、施設整備が後追いになるケースがあると考えられます。
3. 定員データの収集率が影響している場合がある
施設は存在するものの、定員データが未入力の施設が多い地域もあります。このような場合、実際の施設供給力よりも充足率が低く算出されます。ランキングの数値だけで「施設がない」と判断するのは早計です。
充足率が低い=「悪い」とは限らない
充足率はあくまで入所系施設の定員と要介護認定者数の比率です。以下の点を踏まえて総合的にとらえることが大切です。
- 訪問介護やデイサービスなど、在宅介護サービスが充実している地域では、入所施設が少なくても介護環境が整っている場合があります。
- 隣接する市区町村の施設を利用する広域利用が一般的な地域もあります。
- 地域包括ケアシステムの推進により、在宅での介護を重視する方針の自治体もあります。
このランキングを見るときの注意点
- この充足率は施設の「定員」をもとに算出しており、実際の空き状況を反映しているわけではありません。
- 定員データが未入力の施設は集計に含まれていないため、実際の供給力よりも低く算出されている可能性があります。
- 今回のランキングは施設数10件以上の市区町村に限定しています。極端に施設が少ない地域は除外しています。
充足率の計算方法について詳しくは、指標の解説ページをご覧ください。
まとめ
充足率が低い地域は、大都市近郊のベッドタウンや中規模都市に多い傾向が見られます。ただし、定員データの収集率や在宅介護サービスの充実度によって実態は異なるため、数値だけで判断することは避けたいところです。
気になる地域があれば、各市区町村の介護施設一覧ページで施設の種類や所在地を確認してみてください。充足率が高い地域に関心がある方は、充足率が高い地域の記事もあわせてご覧ください。